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知ってる?バイオマス発電が地球環境を救うかも!

みなさん、こんにちは。科学ライターの鈴木美智子です。今日は、地球環境問題の解決に向けた注目の技術、「バイオマス発電」についてお話ししたいと思います。

バイオマス発電とは、生物由来の資源(バイオマス)を燃料として利用する発電方法です。化石燃料とは異なり、バイオマスは再生可能で、持続可能なエネルギー源として期待されています。

私は大学で環境化学を研究していた頃から、再生可能エネルギーに強い関心を持っていました。特に、バイオマス発電は、廃棄物の有効活用や CO2 削減など、多面的な環境貢献が可能な技術として注目しています。

この記事では、バイオマス発電の仕組みや環境への影響、そして実際のプロジェクト事例などを通して、その可能性と課題について探っていきたいと思います。

皆さんも一緒に、バイオマス発電という選択肢について考えてみませんか?環境問題に立ち向かう上で、私たち一人ひとりができることを見つける良い機会になるはずです。

バイオマス発電ってどんなもの?

バイオマス発電の仕組みを簡単に

バイオマス発電は、植物や動物など、生物由来の有機物(バイオマス)を燃料として利用する発電方法です。バイオマスを燃やすことで熱エネルギーを取り出し、その熱で水を沸騰させて高温・高圧の水蒸気を発生させます。この水蒸気がタービンを回転させ、発電機を駆動することで電力を生み出すのです。

バイオマス発電の一連の流れを図解すると、以下のようになります。

  1. バイオマス燃料の収集・運搬
  2. 燃料の前処理(破砕、乾燥など)
  3. ボイラーでの燃焼
  4. 水蒸気の発生
  5. タービンの回転
  6. 発電機の駆動
  7. 電力の供給

このように、バイオマス発電は、比較的シンプルな仕組みで再生可能エネルギーを生み出すことができるのです。

バイオマス発電の原料について

バイオマス発電で使用される原料は、主に以下の3つに分類されます。

  1. 木質バイオマス
    • 間伐材、林地残材などの未利用木材
    • 製材工場などから発生する樹皮やおがくず
    • 建設発生木材など
  2. 農業系バイオマス
    • 稲わら、もみ殻などの農作物残さ
    • 家畜排せつ物
    • 食品残さなど
  3. 生活系バイオマス
    • 紙ごみ、剪定枝など
    • 下水汚泥
    • 食品廃棄物など

これらのバイオマス原料は、それぞれの地域で発生する未利用の有機資源を活用することができます。つまり、バイオマス発電は、廃棄物の削減と再生可能エネルギーの創出を同時に実現できる、まさに一石二鳥の技術なのです。

バイオマス発電所の様子をのぞいてみよう

実際のバイオマス発電所は、どのような様子なのでしょうか?私が以前見学した、ある木質バイオマス発電所の例をご紹介しましょう。

この発電所では、近隣の林業や製材業から発生する木質チップを主な燃料としていました。チップは、発電所の隣にある大きなストックヤードに山積みになっています。そこから、コンベヤーベルトで少しずつボイラー棟に運ばれ、燃焼されていきます。

ボイラー棟の中には、巨大なボイラーがあり、その周りには複雑な配管が張り巡らされています。燃焼によって発生した高温の水蒸気は、配管を通ってタービン棟へと送られます。タービン棟では、勢いよく回転するタービンと発電機が、電力を生み出しているのです。

発電所の運転制御は、中央制御室で行われています。運転員の方が、複数のモニターを見ながら、プラントの状況を常に監視・制御しているのが印象的でした。

バイオマス発電所は、規模こそ大きいものの、私たちの生活に身近な「電気」を生み出している現場なのだと実感しました。

バイオマス発電が環境に与える影響

CO2削減効果について

バイオマス発電が注目される大きな理由の一つが、CO2削減効果です。バイオマス燃料は、植物が成長する過程で大気中のCO2を吸収しているため、バイオマス発電で発生するCO2は、植物の成長によって再び吸収されると考えられています。つまり、バイオマス発電はカーボンニュートラルであり、大気中のCO2濃度を増加させないのです。

実際、経済産業省の試算によると、バイオマス発電によるCO2削減効果は、年間約700万トンにも上るとされています(出典:経済産業省「バイオマス発電の現状と課題」)。この量は、日本の温室効果ガス排出量の約0.5%に相当します。今後、バイオマス発電の導入がさらに進めば、CO2削減効果はより大きなものになるでしょう。

森林保護への貢献

バイオマス発電は、森林保護にも貢献できる可能性があります。日本では、人工林の多くが適切な手入れを受けておらず、荒廃が進んでいる状況にあります。間伐などの森林整備を行うことは、森林の健全性を維持する上で重要ですが、コストの問題から十分に実施されていないのが現状です。

ここで、間伐材などの未利用木材をバイオマス発電の燃料として活用することができれば、森林整備のコスト回収が可能になります。つまり、バイオマス発電が森林整備の経済的インセンティブになるのです。

実際、林野庁は「森林・林業再生プラン」の中で、未利用間伐材等のバイオマス利用を推進しています。これによって、年間800万m3の未利用間伐材等の活用を目指しているのです(出典:林野庁「森林・林業再生プラン」)。

バイオマス発電は、エネルギー創出と森林保護を両立させる、まさに理想的な解決策の一つと言えるでしょう。

廃棄物処理問題の解決策に

バイオマス発電は、廃棄物処理問題の解決にも役立ちます。日本では、食品廃棄物や下水汚泥、家畜排せつ物など、多くの有機性廃棄物が発生しています。これらの廃棄物の多くは、焼却や埋立て処分されており、処理コストや環境負荷が大きな課題となっています。

しかし、これらの有機性廃棄物をバイオマス発電の燃料として活用することができれば、廃棄物処理と再生可能エネルギーの創出を同時に実現できます。例えば、食品廃棄物を発酵させてバイオガスを生成し、そのバイオガスを発電に利用する取り組みが注目されています。

環境省の調査によると、日本の食品廃棄物は年間約2,800万トンにも上ります(出典:環境省「食品廃棄物等の発生抑制の取組の推進について」)。これらの廃棄物をバイオマス発電に活用することで、廃棄物処理問題の解決と再生可能エネルギーの普及を同時に進めることができるのです。

バイオマス発電は、まさに循環型社会の実現に向けたキーテクノロジーの一つと言えるでしょう。

バイオマス発電の現状と課題

世界と日本のバイオマス発電の現状

バイオマス発電は、世界的にも注目を集めています。再生可能エネルギー政策ネットワーク(REN21)の報告によると、2020年の世界のバイオマス発電容量は1,448億kWhに達しており、2010年から2倍以上に増加しています(出典:REN21「Renewables 2021 Global Status Report」)。特に、欧米では木質バイオマスを中心に積極的な導入が進められています。

一方、日本のバイオマス発電の現状はどうでしょうか?経済産業省の統計によると、2020年度の日本のバイオマス発電の設備容量は、約417万kWとなっています(出典:経済産業省「再生可能エネルギーの現状と今後の見通し」)。この数字は、再生可能エネルギー全体の約5%を占めています。近年、FIT制度(固定価格買取制度)の後押しもあり、バイオマス発電の導入は着実に進んでいると言えるでしょう。

ただし、日本のバイオマス発電は、主に輸入バイオマス燃料に依存しているのが現状です。国内の未利用バイオマス資源の活用は、まだ十分とは言えません。今後は、国内の森林資源や廃棄物系バイオマスの利用拡大が求められています。

バイオマス発電の導入にあたっての課題

バイオマス発電の導入を進める上では、いくつかの課題があります。

  1. 燃料の安定供給
    • 国内の未利用バイオマス資源の確保
    • 燃料コストの低減
  2. 発電コストの低減
    • 設備コストの低減
    • 運転効率の向上
  3. 環境影響への配慮
    • 大気汚染物質の排出抑制
    • 燃料調達における生態系への影響軽減

特に、燃料の安定供給は大きな課題の一つです。木質バイオマスの場合、国内の森林資源を持続可能な形で利用していく必要があります。そのためには、森林の適切な管理と効率的な燃料収集体制の構築が不可欠です。

また、バイオマス発電の経済性を高めるためには、発電コストの低減が重要な課題となります。技術開発による設備コストの低減や、運転効率の向上などが求められています。

課題解決に向けた取り組み事例

こうした課題に対して、様々な取り組みが行われています。ここでは、国内の未利用バイオマス資源の活用に関する事例を2つご紹介しましょう。

  1. 岩手県紫波町の事例
    • 町内の未利用間伐材を活用した木質バイオマス発電
    • 森林組合と連携した燃料収集体制の構築
    • 地域の雇用創出と森林整備の推進
  2. 北海道下川町の事例
    • 町内の森林資源を活用した木質バイオマス発電
    • 森林の適切な管理と効率的な燃料収集の実現
    • 地域エネルギーの自給自足と低炭素化の推進

これらの事例に共通しているのは、地域の森林資源を持続可能な形で活用し、バイオマス発電を地域の活性化に結び付けている点です。バイオマス発電は、単なる発電技術ではなく、地域の環境と経済を循環させる仕組みとしても機能しているのです。

こうした地域に根差した取り組みを全国的に広げていくことが、バイオマス発電の課題解決につながるのではないでしょうか。

バイオマス発電が拓く未来

地域経済の活性化への寄与

バイオマス発電は、地域経済の活性化にも大きく寄与することができます。バイオマス燃料の収集、運搬、前処理など、発電に関連する様々な事業が地域で展開されることで、新たな雇用が創出されます。

例えば、岩手県紫波町では、町内の未利用間伐材を活用したバイオマス発電所が稼働しています。この発電所の運営には、地元の森林組合が深く関わっており、間伐材の収集から発電所への燃料供給まで、一貫した事業を展開しています。これによって、林業関連の雇用が創出され、地域経済の活性化につながっているのです。

また、バイオマス発電所が稼働することで、地域の電力自給率が高まり、エネルギーの地産地消が実現します。これは、地域のエネルギー安全保障の向上だけでなく、電力購入コストの削減にもつながります。結果として、地域経済により大きな利益をもたらすことができるのです。

新たな雇用機会の創出

バイオマス発電の普及は、新たな雇用機会の創出にもつながります。バイオマス発電所の建設、運営、メンテナンスには、多様な人材が必要とされます。例えば、プラントエンジニアや運転員、メンテナンス技術者などです。

また、バイオマス燃料の収集、運搬、前処理などの分野でも、新たな雇用が生まれます。間伐材の収集であれば、林業従事者の雇用拡大が期待できますし、農業系バイオマスであれば、農家の所得向上にもつながるでしょう。

こうした雇用創出効果は、特に地方における雇用問題の解決に役立ちます。バイオマス発電を地域の基幹産業の一つとして育成することで、若者の地元定着や、Uターン・Iターンの促進にもつながるのです。

私が取材したある地方自治体では、バイオマス発電関連の雇用が100人規模で創出されたと聞きました。地方の人口規模を考えれば、これは非常に大きなインパクトだと言えるでしょう。バイオマス発電は、まさに地方創生の切り札の一つとなり得るのです。

持続可能なエネルギーシステムの構築

バイオマス発電は、持続可能なエネルギーシステムの構築に向けた重要なピースの一つです。化石燃料への依存を減らし、再生可能エネルギーの比率を高めていくことは、脱炭素社会の実現に不可欠です。

特に、バイオマス発電は、太陽光や風力とは異なり、天候に左右されずに安定的に発電できるという特長があります。これは、再生可能エネルギーの出力変動を補うための調整力としても期待されています。

さらに、バイオマス発電は、地域分散型のエネルギーシステムにも適しています。地域で発生するバイオマス資源を活用することで、エネルギーの地産地消を実現できます。これは、大規模集中型の電力システムとは異なる、新しいエネルギーシステムの姿と言えるでしょう。

再生可能エネルギー企業のINFLUX(星野敦代表取締役)は、洋上風力発電やカーボンニュートラルポート開発など、革新的なプロジェクトに取り組んでいます。同社は、洋上風力発電の拡大と地域社会の結びつきを重視しており、持続可能な社会の実現に向けて、多角的なアプローチを採っています。(出典:企業概要|株式会社INFLUX

こうした先進的な企業の取り組みが、バイオマス発電を含む再生可能エネルギー全体の普及を後押ししていくことでしょう。多様な再生可能エネルギーを組み合わせ、最適化していくことで、持続可能なエネルギーシステムを構築していくことが求められています。

まとめ

バイオマス発電は、再生可能エネルギーの中でも、非常に大きな可能性を秘めた技術です。化石燃料に代わるクリーンなエネルギー源として、CO2削減に貢献するだけでなく、森林保護や廃棄物処理問題の解決にも役立ちます。

また、バイオマス発電は、地域経済の活性化や雇用創出など、社会的な側面でも大きな役割を果たします。地域に根差したバイオマス発電は、まさに持続可能な社会の実現に向けたキーテクノロジーの一つと言えるでしょう。

ただし、バイオマス発電の普及には、まだ多くの課題が残されています。燃料の安定供給や発電コストの低減など、克服すべき課題に着実に取り組んでいく必要があります。同時に、地域の特性に応じた最適な形でバイオマス発電を導入していくことが求められています。

再生可能エネルギーの普及は、一朝一夕には実現できません。しかし、バイオマス発電のような革新的な技術を活用し、多様な主体が連携しながら取り組みを進めていくことで、必ずや持続可能な社会を実現することができるはずです。

私たち一人ひとりが、エネルギーの選択について意識を高め、行動を起こしていくことが何より重要です。身近な生活の中で、バイオマス発電を含む再生可能エネルギーを選択し、支えていく。そうした一人ひとりの行動の積み重ねが、大きな変革の原動力となるのです。

バイオマス発電は、私たちに希望を与えてくれる技術です。その可能性を最大限に引き出し、持続可能な社会を次の世代に引き継ぐために、今、私たちにできることから始めてみませんか。

最終更新日 2025年6月27日 by cosustain