風が木々の葉を揺らす音、土の匂い、そして朝の柔らかな光。
長野県安曇野の自然のなかで暮らしていると、ほんの些細なことで心が満たされていくのを感じます。
こんにちは。
ナチュラルライフ研究家の石川真理子です。
かつての私は、都会の喧騒のなかで仕事と時間に追われ、いつも「ちゃんとしなきゃ」と自分を追い立てていました。
心と体が悲鳴をあげていることに気づかないふりをして、走り続けた結果、ぷつんと糸が切れたように動けなくなってしまった経験があります。
この記事を読んでくださっているあなたも、もしかしたら同じように、息つく暇もない毎日を送っているのではないでしょうか。
特に、お子さんを持つお母さんは、自分のことはすべて後回し。
気づけば一日が終わり、心の余裕なんてどこにも見当たらない…そんな日も少なくないかもしれません。
でも、大丈夫です。
どんなに忙しい毎日でも、ほんの5分、いえ、1分でもあれば、心はちゃんと休息できます。
この記事では、特別な時間や場所を必要としない、あなたの日常にそっと溶け込むような、やさしい瞑想の習慣をご紹介します。
この記事を読み終える頃には、「私にもできるかも」と、心が少しだけ軽くなっているはずですよ。
忙しさの中で見落としがちな「心の声」
「ママ」という役割は、本当に素晴らしいものです。
でも、その一方で、私たちは自分の心の声を、つい見落としてしまいがちです。
ママの一日は「待ったなし」
朝、目覚めた瞬間から、ママの一日はノンストップ。
子どものお世話、朝食の準備、慌ただしい送り出し。
日中は仕事や家事に追われ、夕方は息つく間もなく夕食の支度とお風呂、そして寝かしつけ…。
まるで、次から次へと押し寄せる波に、ただただ立ち向かっているような感覚。
自分のペースで物事を進めるなんて、夢のまた夢かもしれませんね。
自分のケアは後回しになりがち
そんな毎日の中で、自分のための時間はどこにあるでしょう。
ゆっくりお茶を飲む時間、ぼーっと空を眺める時間、自分の心と体をいたわる時間。
それらはいつだって後回し。
「子どもがもう少し大きくなったら」
「仕事が落ち着いたら」
そうやって先延ばしにしているうちに、心は知らず知らずのうちに乾いて、ささくれ立ってしまうのです。
「ちゃんとしなきゃ」からの解放が必要な理由
「ちゃんとした母親でいなきゃ」
「完璧な妻でいなきゃ」
「仕事もきちんとこなさなきゃ」
その真面目さと責任感は、あなたの素晴らしい長所です。
でも、その思いが強すぎると、自分自身をがんじがらめにしてしまいます。
少しだけ、その「ちゃんとしなきゃ」という鎧を脱いでみませんか。
完璧じゃなくてもいいんです。
あなた自身が、あなたに「そのままで大丈夫だよ」と、優しく声をかけてあげることが何よりも大切なのです。
たった5分でできる瞑想って?
「瞑想」と聞くと、なんだか難しそうに感じるかもしれませんね。
でも、私がこれからお話しするのは、あぐらを組んだり、静かな部屋にこもったりする必要のない、とっても簡単なものです。
「空を見る瞑想」ってどんなもの?
私が毎日、朝食前の5分間に行っているのが「空を見る瞑想」です。
やり方はとってもシンプル。
- 窓辺に立つか、ベランダに出る。
- ただ、空を見上げる。
- 雲が流れていく様子や、空の色を、判断せずにただ眺める。
たったこれだけです。
「今日は青が深いな」「雲の形が面白いな」と感じるままに、空と対話する時間。
思考が自然と静かになり、心がすーっと洗われていくような感覚になりますよ。
椅子に座れなくてもできる、日常にとけ込む形
この瞑想の素敵なところは、どんな状況でもできること。
- 洗濯物を干しながら
- 洗い物をしながら窓の外に目を向けて
- 子どもの公園遊びに付き合いながらベンチで
特別な時間は必要ありません。
日常のふとした瞬間に、意識を空に向けるだけで、それはもう立派な瞑想なのです。
実際に試してみた読者のエピソード(共感型)
以前、私のInstagramでこのお話をしたとき、たくさんのママからメッセージをいただきました。
「仕事と育児でパンク寸前でしたが、ベランダで空を見るようになってから、ほんの少し気持ちに余裕ができました。子どもに『ママ、お空きれいだね』と言われて、ハッとしたんです。こんなに身近に癒やしがあったんですね。」(30代・ワーキングマザー)
私も、東京で時間に追われていた頃は、空を見上げる余裕さえありませんでした。
でも、どんなに忙しくても、空はいつもそこにあります。
あなたと世界を繋いでくれる、大きな存在です。
忙しいママでも続けられる、3つの瞑想スタイル
「空を見る瞑想」以外にも、あなたの生活に寄り添う瞑想法はたくさんあります。
ここでは、特におすすめの3つのスタイルをご紹介しますね。
朝の光を浴びながら:目覚めの深呼吸
朝、目が覚めたら、ベッドから出る前に、まず一つ深呼吸をしてみましょう。
窓から差し込む朝の光を全身で感じるように、ゆっくりと息を吸い込みます。
そして、体の中にある昨日の疲れや、もやもやした気持ちを、すべて吐き出すように息を吐きます。
これを3回繰り返すだけで、新しい一日を穏やかな気持ちで始められます。
お茶時間にひと呼吸:五感を使った瞑想
もし、たった5分でも一人でお茶を飲める時間ができたら、それは絶好の瞑想チャンスです。
ただ飲むのではなく、五感をすべて使って、お茶を味わってみてください。
- 【視覚】 お茶の美しい色、立ち上る湯気を眺める
- 【嗅覚】 ふわりと広がる豊かな香りを嗅ぐ
- 【触覚】 湯呑みを持つ手のひらに伝わる温かさを感じる
- 【聴覚】 お湯を注ぐ音に耳をすませる
- 【味覚】 口の中に広がる優しい味わいを、ゆっくりと感じる
スマホを置いて、テレビを消して、たった一杯のお茶と向き合う時間。
それは、心を満たす贅沢なひとときになります。
寝る前の心ほどき:1日の終わりにする「ありがとう瞑想」
一日の終わり、ベッドに入ったら、目を閉じて今日あった「ありがとう」を3つだけ思い出してみませんか。
どんなに小さなことでも構いません。
- 子どもが可愛い笑顔を見せてくれて、ありがとう
- 美味しいごはんが食べられて、ありがとう
- 今日も一日、無事に過ごせて、ありがとう
感謝の気持ちは、心を温かくし、幸福感を高めてくれる魔法です。
「今日もダメだったな」と自分を責める代わりに、「ありがとう」で一日を締めくくる。
それだけで、きっと優しい気持ちで眠りにつけるはずです。
これまで紹介したような、静かに自分と向き合う瞑想が少し苦手だと感じる方もいるかもしれませんね。
そんな方には、手を動かしながら心を整える方法もおすすめです。
例えば、美しい仏画を無心でなぞることで、深い静けさを体験できる『描く瞑想 チベット仏画を無心になぞる』のような書籍もあります。
お絵描きをするような感覚で、自然と心が落ち着いていくのを感じられるかもしれません。
瞑想を習慣にするためのやさしい工夫
「続けなきゃ」と思うと、それがまたプレッシャーになってしまいますよね。
だから、もっとゆるやかに、心地よく続けるための工夫をいくつかお伝えします。
タイマーではなく「自然のサイン」を使う
「5分間」とタイマーをセットすると、なんだか義務のようになってしまいます。
代わりに、「自然のサイン」を合図にしてみませんか?
自然のサイン(例) | やってみること |
---|---|
朝、鳥の声が聞こえたら | 窓を開けて深呼吸する |
コーヒーを淹れる香りがしたら | 香りを深く吸い込んでみる |
夕日が空を染め始めたら | ベランダで空を眺める |
あなたの周りにある美しいサインに気づくことで、瞑想はもっと楽しく、自然な習慣になります。
子どもと一緒にやってみるという選択肢
「一人の時間なんてない!」というママは、ぜひお子さんと一緒に試してみてください。
「どっちが面白い形の雲を見つけられるか競争しよう!」
「お茶の匂い、どんな匂いがする?」
遊びの延長で、ママも子どもも一緒にリラックスできます。
親子の絆を深める、素敵な時間にもなりますよ。
完璧を目指さない「続けなくてもいい」瞑想法
これが一番大切なことです。
瞑想は、できなくてもいいんです。
今日は疲れていて無理だなと思ったら、お休みして大丈夫。
1分しかできなくても、それは素晴らしい1分です。
「毎日やらなきゃ」という思い込みを手放したとき、瞑想は本当の意味であなたの心を自由にしてくれます。
大切なのは、自分を責めないこと。
「また明日、気が向いたらやってみよう」くらいの、やさしい気持ちでいてくださいね。
まとめ
めまぐるしい毎日の中で、私たちはつい自分の心を置き去りにしてしまいがちです。
でも、ほんの少しだけ意識を向けるだけで、あなたの心はふわりと軽くなります。
- たった5分、空を見上げるだけで心は洗われる。
- 朝の深呼吸、お茶時間、寝る前の「ありがとう」が、心をほどいてくれる。
- 完璧じゃなくていい。「続けなくてもいい」と思うことが、続けるための最大のコツ。
忙しい日々の中にも、心を洗濯する時間、心に余白をつくる時間は、必ず見つけられます。
特別なことは何もいりません。
まずは今日、眠る前に一つだけ「ありがとう」を心の中で唱えてみませんか。
それが、あなたのための、やさしい整え時間の始まりです。
この記事が、あなたの心に小さな余白をつくる、その第一歩となることを、心から願っています。
最終更新日 2025年6月27日 by cosustain